当院の学会発表
新しい考え方から生まれた
笹原茂儀 中村昭治 なかむら鍼灸接骨院 キーワード:半月板の亜脱臼、半月板のずれ、半月板圧迫 【目的】 著者は、学生、社会人を通して約20年間バスケットボールを続け、慢性的な膝痛に悩まされた。 数多くのブレースやサポーターを試すが、納得のいく物には出会えなかった。その為、自らウエットスーツなどを切り、膝サポーターを作製し、プレーを続けた。又、同時期、内側関節裂隙や外側関節裂隙をパットによって圧迫する事で徐痛効果があることを発見した。 このような経験から、サポーター製作メーカーと協力して、半月板を圧迫することを目的とした、膝サポーター「ザ・メニスカス」を2006年5月に完成させた。特許公開2007−105311。 変形性膝関節症(膝OA)やスポーツ選手の膝痛などで数多くのブレースやサポーターが使用されている。 それらは正しく効果判定されていない。当院で開発した半月板を圧迫する目的で作製した膝サポーター(ザ・メニスカス)を購入された方の効果判定と膝関節の痛みに関するアンケート調査を実施した。尚、この方々は当院での治療は受けていない。 図1.サポーター着用時 【研究方法】 調査は、当院で開発した膝サポーターをH18年7月〜H19年2月にかけて、電話又は、メールにて注文された方に、膝の痛みに対するアンケート調査を実施した。実施期間は、平成19年3月〜平成19年6月にかけて無記名の郵送にて行った。アンケート総数188名、回答86名(回答率46%)を対象とした。対象の性別は男性24名(28%)、女性62名(71%)、平均年齢67.1歳、年代は、「10代1名(1.2%)」、「20代0名(0%)」、「30代1名(1.2%)」、「40代2名(2.3%)」、「50代9名(10.5%)」、「60代33名(38.3%)」、「70代34名(39.5%)、「80代6名(7%)」。対象の本研究への参加の同意はアンケート用紙の回収をもって得られるものとした。 【調査内容】 年齢( )、性別(男・女) @ どちらのヒザが痛みますか? 1.右ひざ 2.左ひざ 3.両ひざ A 今までどちらに通院されていましたか?(複数回答可) 整形外科( )件 接骨院( )件 整体院( )件 鍼灸院( )件 その他( ) B 今までどのような治療を受けてこられましたか?(複数回答可) 1.シップ 2.痛み止め薬(内服・注射)3.ヒアルロン酸の注射 その他( ) C 整形外科又は、治療院でどのような事を言われましたか? D 現在内服されているお薬はありますか? E サポーターを着用した結果どうですか? 1.大変良くなった 2.良くなった 3.楽に感じる 4.あまり変わらない 5.悪化した 【結果】 @1.右ひざ(38人)44.2% 2.左ひざ(17人)19.8%3.両ひざ(31人)36% A通院あり82人(95.3%)、通院なし4人(4.7%)、件数で分けると、1件35人、2件20人、3件9人、4件6人、5件7人、6件3人、8件1人であった。以下複数解、整形外科(114件)60%、接骨院(27件)14.2%、整体院(23人)12.1%、鍼灸院(16件)8.4%、その他(6件)3.2%、解なし(4件)2.1%。 B以下複数解、1.シップ(62人)、2.痛み止め薬(52人)3.ヒアルロン酸の注射(33人)、電気療法(15人)、マッサージ(5人)、水抜き(3人)、解なし(4人)、内視鏡手術(2人)、膝サポーター、塗り薬、包帯を巻く。 C変形性膝関節症と言われた(17人)、手術を勧められた(6人)、運動を勧められた(5人)、年齢の為(3人)、減量を勧められる(2人)、使いすぎ、水がたまっている、腰からきている、骨盤がずれている。 D薬を内服中60人(69.8%)、なし26人(30.2%)、以下複数解、高血圧(37人)、高脂血症(9人)、糖尿病(6人)、その他(18人)ない(27人)。 E1.大変良くなった(7人)8.1%、2.良くなった(12人)14%、3.楽に感じる(54人)62.8%、4.あまり変わらない(13人)15.1%、5.悪化した(0人)0%。 【結論】 一番の目的は新しく開発した、膝サポーターの効果判定である。 半月板を圧迫するという、今までにない考え方から生まれた、膝サポーター(ザ・メニスカス)がどれほどの効果があるのかであった。 大変良くなった(8.1%)、良くなった(14%)、楽に感じる(62.8%)合わせて89.4%は、他のサポーターと比較は出来ないが、半月板を圧迫するという新しい考え方で誕生した、膝サポーター(ザ・メニスカス)の効果は認められたと言える。 |